こんにちは。AWESOME JAPANの山崎です。
そろそろ平成生まれが成人し、YouTubeが生まれた時からある世代が小学生になっています。時が発つのは早く、デジタルネイティブ世代は今後更に増えていきますね。しかし教育現場でITは効果的に活用されているでしょうか。私はもっとIT教育に力を入れるべきだと思っています。むしろそうしないと今後社会に急速に浸透したIT技術の正しい使い方やその裏側に関した知識の無い世代がどんどん増えてしまうからです。
IT教育にかかわらず教育というものにはお金も時間も教えられる人材も必要です。しかし最も大事なのはとっつきやすさではないでしょうか。例えば、教育的価値のあるゲームなんかどうでしょうか。
「ゲームがお勉強になるなんて…」と思われる読者の方もいるかもしれません。それはもちろんです。しかし今回紹介するPiperを見ればゲームを「勉強のツール」として見ることができるかもしれません。
これがPiperです。レーザーカッターで裁断された木製の筐体にディスプレイを内蔵し、回路基板、Raspberry Piとバッテリー、USBマウスがセットになっています。「ギーク」な読者の方以外はピンと来ないかも知れませんが、導線の繋がった赤い箱は、Raspberry PiというれっきとしたPCなのです。さてこのシンプルな箱で何ができるのでしょうか。
皆さんはMinecraftというゲームをご存知でしょうか。2009年頃に開発されたゲームで「サンドボックス(砂場)」というジャンルに入ります。平たく言えば「ブロックを使ってなんでも作れる仮想空間」です。先ほど話したRaspberry PiにはMinecraftの亜種が内蔵されており、Piperではマウスと回路基板を使ってゲームをプレイできるのです。プレイヤーは輸送中に損傷してしまった惑星探査用ロボットを回路基板を組み替えながら操作し、新しい惑星を調査します。
例えばスイッチが必要ならば回路基板とRaspberry Piを導線で接続し、付属のスイッチユニットを差し込めば完成です。そのスイッチを操作することでゲーム内でもスイッチが押され、マグマの海を渡る橋を掛けたりするギミックを操作できます。複雑な回路図を読む必要はありません。画面にブロックで表示される回路図の通りにつなげばいいのです。
実際に接続した回路がゲーム内へ影響をあたえることで、ゲームをプレイしながら電子工作を学べるというわけです。シンプルなボタン以外にもLED懐中電灯やLEDをインジケーターとして使ったモーションセンサー等色々なものを作ることができるようです。デジタルコンテンツ・デバイスを消費することは得意な今の子供達にそれらを使って創作する楽しみを教えることがこのプロジェクトのねらいだそうです。
またこのPiper自体をそもそも組み立てることで作る楽しさを感じながらリアルとバーチャルが融合した「サンドボックス」を楽しむことが出来ます。
このプロジェクトは執筆時現在(2015年3月上旬)、5万ドルの目標に対して248人から5万5千ドル近い支援を調達しています。あと30日間の支援期間があるためこれよりも更に伸びることでしょう。
ブラックボックス化されたタブレットでゲームするよりもはるかに創造性を育むことができる教育用ツールとして、また電子工作の入門として素晴らしい機械では無いでしょうか。
プロジェクトページはコチラから、日本からの支援方法に関してはコチラからどうぞ。